野球の競技人口減少が叫ばれて久しい。その歯止めとなるべく、プロ・アマ問わず、多くの分野の野球人が団体で、個人で、様々な活動を続けている。多くの子どもたちに、野球に親しんでほしい──。学童野球向けのアイテムを主商品としているフィールドフォースももちろん、様々なイベントへの協力を惜しまず、何より、野球の楽しさを伝える商品を世に送り出すことを使命として、企業活動を続けている。
競技人口減少に歯止めを
7月28日、NPBの選手会とオーナー会議による、初の公式会談が行われた。
日本プロ野球選手会の近藤健介会長(ソフトバンク)が「歴史的」と評した、今回の会談の実現に際し、背景となった共通認識のひとつに、野球の競技人口減少に対する危機意識がある。
全日本軟式野球連盟(JSBB)が発表している「学童(小学生軟式)カテゴリー」の登録チーム数を見ると、2000年代初頭に約1万5000ともいわれた学童チーム数は2025年度、JSBBのホームページによると「8333」まで減っている。
こうした数字、現象に対してはプロ野球だけでなく、あらゆるカテゴリーの野球人が危機感を抱いており、多くの取り組みもされている。

フィールドフォースでは、たとえばNPB(日本野球機構)による幼稚園訪問の普及事業、あるいはNTT東日本元監督・飯塚智広さんによる小学校を訪問しての投げ方教室、最近では都市対抗野球東京都2次予選会場での野球体験イベントなど、使用グッズ・機材の提供などを通じて、多くのイベントの協力を行っている。
社長の吉村尚記が語る。
「野球というスポーツのすそ野を広げるために、まず必要なのは、子どもたちに野球の楽しさを知ってもらうこと。『きっかけ』です。様々なイベントへの協力、あるいは自分たちからの発信を通して、子どもたちが野球を知り、楽しむきっかけを提供できるのならば、これほど意義深いことはありません」

スターター向けに「楽しさ」を追求
6月に発売した「エアーティー FBT-900」(→紹介記事)、「パラシュートボール FPRCB-4040」(→紹介記事)、先日発売されたばかりの「軍手ボール FGTB-50G」(→紹介記事)の3商品はいずれも、発売開始早々から順調な売り上げを記録している。
これらはそれぞれ、異なる開発の経緯を持ち、どの商品も厳密には「これから野球を始める子にこそ使ってほしい」と開発を始めたわけではない(パラシュートボールはそれに近いが)。

が、どれも、これから始める子にもおススメしたい商品だ。
フィールドフォースではこれまでも、「プラバット+ボール FPB-7488」や「野球紙飛行機セット FPAP-8986」といった、まさにこれから野球を始める子どもたちに向けた商品もラインアップしてきたが、必ずしもそうでない商品の中にも、スターターにもピッタリ、というモノは多い。

なぜかといえば、フィールドフォースの商品開発におけるテーマの一つとして、「楽しさ」を追求しているからにほかならない。
「パートナー不要、省スペースで最大限の効果を!」
これは創業当時から変わらない、フィールドフォースの商品開発におけるコンセプトだ。
「それに『楽しく』を加えてもいいかもしれないですね」
吉村が語る。
「『パートナー不要、省スペースで楽しく、最大限の効果を』。うん、いいな」
当初はなかったコンセプト!?
当初、この「楽しく」というコンセプトは、吉村の頭にはなかったのだという。
「私自身、高校まで“昔ながらの野球”で育ってきましたからね。『省スペースで高効率の練習ができるギアを』とは考えていましたが『楽しく』の考えはなかったかな。野球を始めた息子たちにも、昔ながらの説教を続けてましたしね(笑)」
ただ、フィールドフォースが多くの学童野球大会のスポンサードを始めた頃から、徐々に違う考え方を抱くようになったのだという。
「当時はイチロー選手や松井秀喜選手の活躍の影響もあって、野球未経験のお父さんやお母さんも、わが子に野球を、というケースが結構、多かったんですよね」
そうした選手の保護者たちと接し、意見を交わすようになり、徐々に考えが変わっていったのだという。
「これは昔のようにクドクドとした技術論ではなく、一見して、触って、試せばすぐに理解でき、しかも続けたいと思わせるようなギアが必要なんだな、と感じたんですよね。野球を楽しむための『きっかけ』になるような商品です」
遊び心と、ワクワクと

これに訂正と補足をするならば、吉村はこう説明するものの、当初からフィールドフォース商品には「楽しく」というコンセプトが、図らずも含まれていたのも事実だ。早くからの看板商品である「オートリターン」シリーズなどは、その好例といえる。
「便利で使える」という実用的感想と同時に、「楽しそう」「楽しい」という使用感も得られるのだ。
おそらくこれは、吉村が意識していたか否かに関わらず「他にはない、エッジの効いた商品を」という狙いから生まれた、商品の出自に由来する。
楽しくなければ、長続きはしない。「野球を楽しむきっかけを」というコンセプトは必然だったのだ。それはもちろん、吉村ならではの独特すぎる発想と企画力、推進力があっての話ではあるが…。

「いまも『楽しく』『きっかけになる』商品を、という思いは常に持ち続けています」
吉村が言う。
「遊び心があり、ワクワクが詰まっている商品。そんなものを次々に出していきたいですね」
たとえば、「ハンズフリーティー FBT-800」(→商品紹介)は、そんな遊び心が詰まった、フィールドフォースらしさの象徴ともいえる製品だ。
「以前、『こんな商品が自分の子どもの頃にあったらなあ』と言葉をかけてもらうのがうれしい、という話をしましたが…」
吉村がつぶやく。
「『面白い商品を作ってるね』『面白い会社だね』、そんな風に言ってもらうのも、最高にうれしいんですよね」
これからも、主役は子どもたち

つい先日も、高校野球の強豪校監督から、フィールドフォース商品のおかげで甲子園出場を決めることができた、というメッセージを受け取ったという吉村。
現在、フィールドフォースのアイテムには、これら高校・大学から社会人、プロ野球と、幅広いカテゴリーのチームや選手のリクエスト、アイデアを元に開発された、オンリーワン商品も数多い。
それでも、根本にあるのは野球を始めたばかり、これから始める、そしてもっとうまくなりたい、という子どもたちに向けた商品の開発だ。
「多くの人たち、子どもたちが野球に興味を持ち、ワクワクし、楽しみながら使ってもらえる、そんな商品を充実させていきたいですね」
これこそが、フィールドフォースのブレない基本姿勢なのだ。